2010年10月27日水曜日

3Dに向いているスポーツ中継は何?

昨日、サッカーの3D中継においてサポーター(観客)の映像が多いことを書きました。

実際、中継を見た人に感想を聞くとやはり、

『「スタンドの観客を映したシーンが印象的だった」「試合終了後の紙吹雪がきれいだった」など、試合そのものではない映像を評価する声が多く聞かれた。』(日経トレンディ)

では、なぜ観客の映像が多くなってしまうのだろうか?

『理由は、「箱庭効果」にある。サッカー中継では、試合の状況をわかりやすく伝えるため、上からグラウンド全体を俯瞰するような映像を多用する。しかしこういった引きの映像では、立体感が付きにくく、むしろ「箱庭で試合しているように見え、迫力に欠ける」(立体映像ジャーナリストの大口孝之氏)』
(日経トレンディ)

『サッカーではないが、5月にラグビーを3Dで中継したJ:COMグループのジェイ・スポーツ・ブロードキャスティングでは、「2回テスト撮影をした結果、カメラの位置をグラウンドに近い高さに下げた」と明かす。「3D撮影は、人間の目と基本的に同じ。グラウンドが間近な席ほど人気があるが、カメラのベストポジションも同じになる」(ジェイ・スポーツ)』(日経トレンディ)

さらにサッカーの試合は、前半と後半それぞれ45分であることもあるようで、体への負担も含めてあまり3Dが向いていない、という声があることは事実である。


一方、野球はどうだろうか?

今年は、巨人戦を対象に3試合のみではあるが、日本テレビの制作で3D中継が行われた。

2Dと3D中継の違いは、『バックネット裏からの映像が多用された。このカメラアングルだと、ピッチャーが投げた球が画面の手前に飛んできて、迫力があるからだ。』(日経トレンディ)

実際、野球中継の歴史を見てみると、現在のようにセンターからピッチャー越しのバッターのような映像ではなく、中継当初はメインカメラがバックネット裏からの映像だった。ということは、昔から野球中継を見ている人にとっては、懐かしく感じるのではないだろうか。

3D中継になったことで、カメラアングルが完全にではなくてもこのように原点に返るというのもある意味興味深い。

また、サッカーで問題となった試合時間を野球で考えると、

『イニング毎に小休止があるので、体への負担は少ないのでは、と話す関係者もいる。』
(日経トレンディ)

以上から、サッカーより野球の方が3D向きのスポーツ中継ということがいえるのかもしれない。


それ以外に、さらに3D向きなスポーツがあった。

それは「格闘技」である。

『引きの映像が少なく、試合時間が短いという、3D向きの2つの要素を兼ね備えている』(日経トレンディ)
からである。

『人物の入れ替わりが激しい点も、3Dの魅力を引き出す要素となりそうだ。』
(日経トレンディ)


<参考URL>
日経トレンディネット<http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20100908/1032867/

1 件のコメント:

  1. そうなんだね!
    広い競技場を3Dで撮っても、あんまし意味無いんだよ。箱庭になっちゃって。
    相撲や、ボクシングを、間近で3Dで見たらえらい迫力になりそうですね。

    改めて見ると

    コンテンツの時間が長くないこと(視聴者の疲れ)
    近距離で見れること
    前後関係の動きがあること
    画面の内外の出入りがあること

    こういうことですかね... しっかり考察をまとめておきましょう!

    お疲れ様です by ササキ

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